NASへのアクセス高速化 リンクアグリゲーションを使用した安定した通信を目指す!

2020年4月22日

あるユーザー様より、社内のNASへのアクセススピードが遅いのでなんとかして欲しいと依頼を受けました。
デザインを主に生業としている方で、PhotoshopとIllustratorをメインでご使用されています。

症状を確認したところ、
NASへのアクセス時(フォルダ参照時)にサムネイル表示に非常に時間がかかる
フォルダの階層を掘り下げて行った時に、エクスプローラー上の進行状況バーが進まず、ファイルが出てくるのに時間がかかる
という2点が主に大きな問題でした。

実際に、ネットワーク構成と配線関係を見せて頂いた結果、NASへのアクセススピードの改善を図れる提案としては、以下が考えられました。

改善提案

◆全てのLANケーブルをCAT6へ引き直しする事による通信の安定化/高速化
◆16ポートスイッチングハブを利用する事によるリンクアグリゲーションの利用
◆RAID6のNASによる通信の安定化/高速化とデータの冗長化

◆全てのLANケーブルの張替に関して
確認したところ、CAT5eとCAT6が混在してました。
また、フラットケーブルも使用されていたので、全LANケーブルをCAT6Aのノーマルタイプで、スイッチからダイレクトに引き直しします。
やはりフラットケーブルはノイズに弱いので、ノーマル形状のLANケーブルを利用します。
LANケーブルに関しては、今後の事も考えて、10Gbps対応のCAT6Aを選択。
スイッチからのダイレクトの配線をする事により、障害時の切り分けのしやすさを考慮。

◆16ポートのスイッチの提案
現状が4個のハブでカスケード接続されており、障害時の切り分けが難しい状況です。
端末はPCやプリンタ、NAS、無線APを含めて9台でした。
LANを1台のハブで集約し、リンクアグリゲーションも使用したかったので、16ポートスイッチを選択。
リンクアグリゲーション対応のスイッチを探した結果、
NETGEARの GS716T-300AJS   ギガビット16ポート SFP2スロット レイヤー2+ スマートスイッチ
が価格と性能のバランスが一番良いと思い選定しました。

AMAZON S3へのクラウドバックアップテスト

現在お使いのNASが、某クラウドへバックアップしていると言う事もあり、AMAZON S3へクラウドバックアップが正確にできるか検証してみました。

S3のアカウントが必要だったので、無料アカウントを作成しました。
1年間は5GBまで無料みたいです。
5GB以上に関しては、50TB/月までは、0.025USD/GBと言う事です。
詳しくは下記のサイトをご参照下さい。
作成後、バケットを作成しておきます。

https://aws.amazon.com/jp/s3/pricing/?nc=sn&loc=4

リージョンは、アジアパシフィック(東京)にして下さいね!

NASのコントロールパネルから、バックアップ→AWS S3に進んでいくと下記の画面が出てきます。

アクセスキーIDと秘密のアクセスキーは、S3のIAMのユーザー作成画面から取得する事ができました。
入力後、バケットを取得ボタンを選択すると、作成したバケットが出てきます。
へを選択すると画面が切り替わり、NAS上のどのフォルダをバックアップするかを選択する画面が出てきます。
ちなみに、選択できるのは、NASのルートディレクトリーのフォルダのみとなります。
フォルダを選択すると下記の画面が出てきます。

直近の時間にスケジュールを設定し終了ボタンを選択します。

現在の動作が完了となりバックアップが無事完了しているのが確認できました。
一応、S3の方も確認してみると

同期が取れているのが確認できました。

AMAZON S3の設定は簡単だったんですが、やはりネックは価格ですね。
0.025USD/GBなので、仮に1.5TB(1500GB)の容量をバックアップすると、37.5USD/月必要となります。今のレートで約4.100円/月です。

NAS本体はRAID6で障害耐性に優れていますが、災害等でNAS本体がダメージを負った場合の事を考えると、クラウドバックアップもあった方が良いのは間違いないと思います。
クラウドバックアップに関しては、費用対効果をどう取るかですね!

万が一の時にデータ復旧する時は、以下の画面からできます。(テストをした結果、動作確認できました)
S3からデータを取り出す際も、多少の費用がかかるようなので気を付けてくださいね。

最後まで読んで頂きありがとうございました。
質問等あれば、お問い合わせからご質問下さいね!

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Posted by osaka43